「戦国時代の宗教勢力 城塞化する寺院」を聴講してきました

レジメ　　　　　　　　　　　比叡山延暦寺東塔　　　　　百済寺境内平面図

城郭部分を要約して記事にしました。

上記レジメより引用させて頂きました。滋賀県文化スポーツ部文化財保護課の皆様有難うございます。

近江の寺院勢力

延暦寺（大津市）

• 城郭記事の初出は仁安2年（1167）『天台座主記』にあるが、現地に明確な城郭遺構は確認できず。普請（土木工事）を供わない作事によって臨時の構築物か。
• 土塁は、外側の傾斜は極めて緩く軍事的なものではない。
• 元亀以前の平坦面は尾根より低い位置にあり防禦意識は皆無。
• 全山を城塞化する組織的な防禦意識はなく、個別の坊院単位での防禦にとどまる。
• 切岸全面を石垣で覆い、平坦面への進入ルートに石垣を構築するような城郭的な石垣使用は認められない。

百済寺（東近江市）

• 石塁の多用～参道の側壁、坊跡の周囲
• 総門付近の土塁と空堀

敏満寺遺跡全体図　　　　　　敏満寺城郭部分　　　　　　金森寺内町

敏満寺（犬上郡多賀町）

• 城郭遺構の存在～櫓台、空堀、門跡　16世紀後半の遺物
• 浅井氏、織田氏との戦いの中で築かれたものか。
• 溝や土塁で区画されたエリア、町屋か坊跡
• 石仏谷～12～15世紀の蔵骨器、多量の石仏15世紀後半～16世紀
• 寺院と墓所、町屋を含む都市的空間

 金森寺内町（守山市）

• 蓮如ゆかりの金森御坊を中心とした寺内町
• 東山道と志那港を結ぶ物流の拠点
• 近江湖南一向一揆の中心
• 在地の自治
• 周囲に堀と土塁、町の入り口で街道が屈曲～防御の為の構造
• 元亀3年7月　金森開城　『年代記抄節』
• 元亀3年9月　織田信長、金森に楽市楽座の掟書発布　（「織田信長朱印状」善立寺文書）